横浜都市発展記念館

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  • 『横浜グラフ』 〜昭和9年の横浜を活写した「写真報道誌」

『横浜グラフ』

昭和9年の横浜を活写した「写真報道誌」

1920〜30年代にかけて、写真を多用してニュースを伝える写真報道というメディア形態が登場し、ジャーナリズムに大きな影響をおよぼしました。1923(大正12)年に創刊した『アサヒグラフ』がその代表的な存在ですが、1934(昭和9)年、横浜でも一風変わった体裁の「写真報道誌」が生まれました。それが『横浜グラフ』(国際写真通信社発行)です。

『横浜グラフ』は横浜で発生した様々な事柄に取材しています。船舶の寄港、著名人の来浜(来日)、青年会・婦人会の催し、展覧会・演説会、スポーツの試合、花まつり・クリスマスなどの年中行事、珍奇ペットの飼育といった新しい風俗などが、日々1枚(ときには複数枚)の鮮明な写真とコンパクトな解説で紹介されます。

第13号 2010年2月
第13号 2010年2月

『横浜グラフ』表紙

台紙に貼られた写真と解説ラベル

正確に言うと『横浜グラフ』は「雑誌」ではありません。発行元の国際写真通信社はキャビネサイズの写真プリントと解説ラベル(年月日入り)を定期的に読者に送付し、読者はそれらを貼付した台紙(横37.5×縦25.2cm)を専用の表紙・裏表紙に挟んで紐で綴じ、「写真アルバム」のような体裁で保存したのです。

第13号 2010年2月

『横浜グラフ』創刊

の広告

(『横浜貿易新報』

昭和9年3月1日付)

初期の解説ラベルには月日の記載がありませんが、『横浜貿易新報』(昭和9年3月1日付)掲載の『横浜グラフ』の広告に「3月創刊」と謳われていることや、同時期の新聞記事との比較から創刊は3月初旬と考えられます。当館所蔵の『横浜グラフ』の解説ラベルは12月25日が最後で、およそ10ヶ月の間に送られた写真306枚、解説ラベル265点が台紙に貼付されて残っていました。

『横浜グラフ』は

横浜市史資料室

(貼付写真109枚)、

横浜市中央図書館

(246枚)、

神奈川県立図書館

(168枚)の各機関にも所蔵がありますが、一冊の製本された「雑誌」ではないため機関によって内容に異同があります。しかし、当館の『横浜グラフ』に収載されていない写真・解説ラベルを他機関に見出すことはできず、当館のものがもっとも完全なかたちに近いのです。

第13号 2010年2月

「ウエルカム!観光第一船」

(3月30日)

第13号 2010年2月
第13号 2010年2月

「開港記念に児童の移動絵画展」

(5月30日)

「美しき混血の踊子姉妹」

(6月13日)

昨年10月から当館ホームページで、『横浜グラフ』の写真・解説ラベルを順次全点公開する

WEB展覧会「昭和9年の横浜〜『横浜グラフ』に見る75年前の世相」

を開催しています。これまで『横浜グラフ』の一部の写真については各種刊行物等で紹介されてきましたが、その全貌が明らかになる機会はありませんでした。昭和初年の横浜について幅広い分野にわたって豊かな情報を提供する『横浜グラフ』。多くの方にご観覧いただければと思います。