- 日本大通り URANIWA-Labo 〜私たちの実験場へようこそ〜

今年は開館5周年!
この夏、都市発展記念館とユーラシア文化館では、開館5周年を記念して、皆様の思い出の宝物を集めて展示した「みんなでエキスポ―小さな万国博覧会―」をはじめ、さまざまな企画を実施しました。今回ご紹介する「日本大通りURANIWA-Labo」もそのひとつです。
「日本大通りURANIWA-Labo」とは、私たちの中庭を、日本大通りから一歩入ったところにあるURANIWAと見立てて、アートな空間に演出しようという実験的な試みです。私たちが加盟している日本大通り活性化委員会との共催で、同じく活性化委員会の加盟事業者である株式会社ありあけ、ギャルリーパリ、ZAIMのご協力をいただきました。
私たちの中庭がちょっとアートなURANIWAに変身した3日間をご紹介しましょう。

かぶりつきで見学
6月2日 プレオープンイベント
「みんなでエキスポ」展のオープンに先がけて、6月2日の開港記念日にURANIWA-Laboの口火を切ったのは、アーティスト TITOSE による「書」のパフォーマンスでした。
テーマは「水と線」。ランダムに配置された長さ10mの紙を航路に見立て、その上に水を撒(ま)き、若山牧水の短歌「白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」を画いていきます。


大胆に水を撒くTITOSE
白い航路に広がる若山牧水の世界
ところが、残念なことに当日は雨。しかも開始時間が近づくにつれて雨が強くなってきたため、急きょ、屋内でのパフォーマンスに変更しました。しかし集まったギャラリーにとっては、目の前でTITOSEの筆づかいが見られる貴重な体験となったことでしょう。
やがて雨が小降りになったところで、「やっぱり外でやりたい!」とのTITOSEのリクエストで、舞台をURANIWAに移してパフォーマンスを再開しました。鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように筆を走らせるTITOSE。紙を押さえるアイテムには、山下町で出土した明治時代の煉瓦を使用しました。失われた過去の都市の断片が、現代のアートに力を添えます。
URANIWAいっぱいに広がる白い航路。そして水に溶けゆく牧水の歌。TITOSEの世界を堪能しました。
8月22日・23日 トワイライト☆エキスポ
「みんなでエキスポ」展も終盤に差しかかった8月22日と23日の2日間は、「トワイライト☆エキスポ」と題して、夕方から夜にかけてのプログラムを組みました。


幻想的なVOLCANO
夜のURANIWAに浮かび上がる映像
まずは、今年結成されたばかりの半アウトドア型都市考察集団『マウンテン事務所 川嶋貫介+鈴木悠子+藤川直美』によるインスタレーション「VOLCANO 〜都市生活者のためのアウトドア術〜」。都市に住む人々にとって大自然とは何かをテーマに、URANIWAにユーラシア大陸の山々をイメージした火山が出現しました。
建築家・写真家・美術作家からなる制作ユニットが提案する、今までにない都会のアウトドアライフは、ちょっとユーモラスで、ちょっとシニカル。日が暮れてからのVOLCANOは、噴火の煙に包まれてとても幻想的でした。
そしてアートな夕べのプログラムはもうひとつ。夜のURANIWAでの映像上映です。題して「URANIWALabo 記憶と記録の裏庭」。建物の外壁をスクリーンにして、巨大な映像空間を作り出す試みです。
アートディレクターに瀧健太郎を招き、当館が所蔵する戦後のニュース映画「神奈川ニュース」と、現代作家(横田将士、カルロ・サンソーロ、大江直哉、佐原和人、エリカ・フランケル、瀧健太郎)による記憶・記録をテーマにした映像作品を、交互につなぎ合わせて投影しました。
現代アートのなかに突如挿入される、昭和30年代の横浜の世相。噴火を続けるVOLCANOの煙にいざなわれ、夜のURANIWAは過去と現在が交差する異空間へと早変わりしました。

3日間ともあいにくの雨模様でしたが、歴史とアートのコラボレーションはいかがだったでしょうか。普段のURANIWAは、パラソルのあるテラスでのんびりくつろいでいただける場所です。通りの喧騒から離れてちょっと一息つきたいとき、どうぞURANIWAへお越しください。
都会の中のちょっとおかしな風景
(青木祐介)