
ウィルソン号の出航
昭和31年(1956)6月
広瀬始親氏撮影寄贈・
横浜開港資料館所蔵
ごあいさつ
今年の夏、一九六三(昭和三八)年の横浜を舞台としたスタジオジブリの新作映画『コクリコ坂から』が上映されて話題となりました。舞台が横浜ということで、当館からも主題歌のプロモーションビデオに昭和三〇年代のニュース映像を提供しました。
懐かしの昭和三〇年代といえば、二〇〇五年の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(舞台は昭和三三年の東京)のヒットが思い出されます。この映画以降、昭和三〇年代があたかもヒット商品のようにもてはやされている感もありますが、昭和三〇年代に対する根強い人気は、一過性のブームにはない強靭さを感じさせます。
当館常設展示では、
横浜開港資料館
で開催中の広瀬始親写真展「横浜ノスタルジア・特別篇〜昭和三〇年頃の街角」にあわせて、広瀬氏の写真パネル展「カメラがとらえた昭和三〇年頃の横浜〜クルマのある風景」を開催しています。
広瀬氏のカメラがとらえた昭和三〇年前後の風景は、高度経済成長を前にした横浜の活気と陰影を私たちに教えてくれます。当時を体験した世代にとっては、単なる懐かしさを超えて、自身の過去とクロスオーバーしたさまざまな情景がよみがえるのではないでしょうか。そんな歴史を振り返る鏡のような役割を果たすところに、昭和三〇年代が当時を知る人々の心を強く捉える理由があるのかもしれません。